生体の成長、生殖や行動に関するホルモンの作用を阻害する性質を持っている化学物質のことで、正確には「内
分泌撹乱化学物質(Endocrine Disruptinng Chemicals あるいはEndocrine Disruptors)」と呼ばれています。
内分泌系は、ホルモンとそれを分泌する内分泌腺からなっていますが、どのようなホルモンでも、その過剰や不
足により病的症状を引き起こします。内分泌撹乱化学物質は、生体内でホルモンのようなふるまいをして本当のホ
ルモンの働きを撹乱したり、ホルモンの働きを邪魔したりして、生体の生殖や発育という基本的機能に障害を与え
ます。
現在、内分泌撹乱化学物質として70種類に及ぶ物質が疑われていますが、これらの中には、ポリ塩化ビフェニー
ル(PCB)やDDT、ダイオキシン類のほか、界面活性剤の成分であるノニルフェノール、ポリカーボネート樹
脂やエポキシ樹脂の原料であるビスフェノールA、塩化ビニル樹脂の可塑剤に用いられているフタル酸エステルと
いった現在も広く使われているものも含まれています。
環境ホルモンについては、現在国県等が調査しているところであり、ダイオキシン類を除いては規制されていま
せん。ダイオキシン類については、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)に基づき環境基準
(水質1pg-TEQ/l)が定められております。